折坂悠太『たむけ』CDレビュー
唯一無二の歌をうたう「折坂悠太」
折坂悠太さんを知ったのは、TBSラジオ『伊集院光 深夜の馬鹿力』で『窓』という曲が流れてきたときだった。伊集院さんも、ラジオのスタッフさんも褒めていた。
深夜、布団のなかで横になって聴くにはぴったりすぎて、ちょっと泣いた。” 今いる場所は暗いけど、扉のすき間からひとすじの光がさしこんでいる ”、そんなイメージを喚起させる曲だった。めずらしいくらい気取らない歌声で、歌詞が沁みていく。といっても、1回聴いただけでは掴みきれないところも多くあり、とにかく気になった。
定期的にライブも行っていて、着々と表現力を増している。まだライブは1度しか行けてないけれど、歳が近いから勝手に親近感を持っていて、応援しています。
『たむけ』レビュー
新アルバム(といっても2016年9月発売)。
発売当初に買って、いまだによく聴いてる。
中でもお気に入りの5曲をレビューします。
道
:アルバム2曲目。個人的な再生回数ナンバーワン。電車のなか、都心の雑踏のなかで聴くと効果あり。過ぎていく風景をちゃんと風景として、ひとつの価値として認識させてくれる。簡単に言うと、『道』がBGMになると風景が画になる。きらいな風景でさえも。
さびしいところ
なんにもないところ
ゆけどゆけども
なんにもないところ
村八分(っていう昔の超格好良いバンド)の、『草臥れて』にも似た歌詞だけれど、喚起されるイメージが全然違う。折坂さんは、おおらか。3拍子目のバスドラの「ドドッ」がすき。絶妙。PVも良いなあ。うん、すごく良い。
犬ふぐり
:アルバム3曲目。歌詞が、やばい。映像の厚みを感じる。緊張感のある一昔前の日本映画を見ているときのよう。 やばい。
あさま
:アルバム6曲目。晴れた日の昼下がりに聴きたくなる。日本の山って良いなぁと思わせてくれる。歌詞が端的で動きがあって、すき。日本語が沁みる~。のびやかな歌声が山まで届きそう。もはや山に行かなくても、山の空気、木洩れ日などがこの曲で体験できます。
鳥
:アルバム8曲目。ひたすらメロディが美しい。映画のエンドロールみたいな美しさ。切実な人が出てくる。1秒も聞き逃せない曲。なにかのタイミングでこの曲に浸透してしまうと、なかなか抜けられない。そして、空に鳥が飛んでいるのを見ると、頭のなかでこの曲が流れるようになってしまった。
馬市(独奏)
:PVをよく見てた『馬市』の独奏バージョン。風に揺れる青い芝と、馬のたてがみ。もはや馬が目の前にいなくても馬の良さがこの曲で体験できる。さっきもこんなこと書いた。
全9曲
収録曲は全9曲だけど、特にすきな5曲を紹介しました。
折坂悠太さんの歌はひとことで言うと、のびやか。
そして、心地良い風景。緊張感のある風景。なつかしさと、不思議さ。
日本人の原始的な部分に響く感じ。
とにかく聴いてみてほしい。
PVは『道』の他にもあるから、YouTubeをチェックしてみてください。
ライブ映像もたくさんあるからチェック!
ライブ映像で私がよく見ているのは、『旋毛からつま先』という曲です。かわいいんだ。
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【CD】たむけ折坂悠太 [NORO-3]
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